Billy's footnotes 💬 Day 187, 2025

🏳️ Box office

The box office numbers for the opening weekend of Gareth Edwards' 'Jurassic World Rebirth'

封切り興行の観客の約4割が、児童をともなった家族連れのファミリー層。という出口調査にもとづく市場の実態からすると、「ジュラシック」シリーズは家族向けのファミリー映画の位置づけだと言えなくもありませんから、これが実質的にデビュー作にあたる 2013年6月9日生まれのオードリーナ・ミランダちゃん現在12歳が抜擢された小さなヒロインのイザベラちゃんをはじめとする…

イザベラちゃんのお姉ちゃんのテレサ役のルナ・ブレース(シットコム「フレッシュ・オフ・ザ・ボート」つまり「フアン家のアメリカ開拓記」)、お姉ちゃんの彼氏のエグゼビア役のデヴィッド・イアコノ(Amazon Prime Video「ザ・サマー・アイ・ターンド・プリティ」つまり「私たちの青い夏」)、そして、姉妹のパパのリューベン・デルガド役のマヌエル・ガルシア=ルルフォ(「オットーという男」2022年)たちが演じたデルガド家の家族の存在感を際立たせるのも当然か…

…と納得できそうですが、しかし、そのデルガド家については宣伝では、ほとんど紹介されていなかっただけに当然、スカーレット・ジョハンソン、ジョナサン・ベイリー、マハーシャラ・アリらの名高い映画スターがメイン・キャストとして、出ずっぱりの活躍をするものと期待し、映画館を訪れた観客たちが、自分たちが思っていたのとは、ちょっと違う映画だった…

…と、ややガッカリをしてしまったこと。そして、映画の物語には特に内容と言えるものがなく、恐竜を登場させて、目を楽しませるだけの娯楽作だったことも、児童をともなった家族連れが対象だから…と理解すれば、それもまた当然の成り行きであり、けして、間違ってはいませんし…、


昨2024年の春の3月に「ジュラシック」シリーズの新作を手がけてほしいと打診されたギャレス・エドワーズ監督に与えられた撮影までの準備期間は、製作費が約1億8,000万ドル超のブロックバスター映画の超大作だというのに、たったの約3か月間しかなく、同年6月13日のクランクインから、わずか4か月足らずの9月27日には早々と撮影を終えて、今週の水曜日の7月2日全米公開どころか、先月6月17日のワールド・プレミアに間に合うように映画を完成させてしまった…!!

…という製作・配給のユニバーサル映画から求められた非常識とすら言えそうな製作スケジュールを乗り切って、ギャレス監督が、あろうことか、たったの約1年と4か月の短期間のうちに「ジュラシック」シリーズの新作を完成させてしまった驚異の突貫作業!!を踏まえると…、

主役のキャストとして、大々的に宣伝されたスカーレット・ジョハンソンたち人気者の多忙な映画スターを相手に、突貫作業のスケジュールをすり合わせるのは困難だから、例えば新人の子役とか容易に拘束できる無名あるいは無名に近いキャストを別の主役に据えて、その別の主役たちに映画の上映時間を少なからず負担させようというのは賢明な映画の作り方として、むしろ、高評価できそうですし、当のギャレス監督によれば、過去に手がけた…

「ゴジラ」(2014年)と「ローグ・ワン」(2016年)は、ともに約2年半ぐらいの製作期間を費やす必要があったのに対し、「リバース」は約1年も製作期間を短縮しなければならなかった…!!と、つまり、脚本はあらかじめ用意されていたとは言え、その中身を吟味して、ロクに構想を練る時間も与えられていないわけですから、映画の内容が薄っぺらいと酷評するのは、ちょっとギャレス・エドワーズ監督が気の毒のように思えてきますが、そうした映画作りの裏側の事情についてなど、けして考慮してはくれない観客のかろうじて約6割だけが、周囲に鑑賞をお薦めする…の出口調査の回答ですから、必ずしも支持されたとは言えない…


$91,500,000−(4,308館/$21,240)−$147,305,000


Rotten Tomatoes 51 % / Metacritic 52 pt / CinemaScore B

シリーズ第7作め「ジュラシック・ワールド・リバース」を、7月4日の独立記念日の祝日を含めた連休の目玉映画として公開した製作・配給のユニバーサル映画が公表した週末3日間の封切り成績は約9,150万ドル、初日の水曜日からの計5日間の封切り興行を通しての成績としては、大台の1億ドルを軽く突破した約1億4,731万ドルでした。前作にあたる「ドミニオン」(2022年)の週末3日間の封切り成績は約1億4,508万ドル(4,676館)でしたから、独立記念日の連休は海に出かけたり、家族でバーベキューとかの屋外レジャーの「自分たちの現実の思い出作り」のほうが好まれ、映画なんて、連休明けの平日にでも行けばいいじゃん!!の傾向を踏まえると…、


ふつうのデジタル一眼カメラのように小型の SONY のシネマカメラ FX3 を採用し、最低限の少人数のスタッフだけで、照明機材を使わず、自然光に頼るゲリラ的な撮影を敢行した…と、つまり自主製作映画のようにして作った前作「ザ・クリエイター」(2023年)が、その映画の見た目は製作費が2億ドルに近いブロックバスター超大作なのに、実際の製作費は約8,000万ドルだったことから、映画の造り方を変えた!!と、映画の内容の不評はさておき、映画作りの手腕のほうが評価されたギャレス監督は、この「リバース」では昔ながらの35ミリのフィルムのカメラを使いながらも、様々な悪条件を克服して、まるで自主製作映画のように即席に「ジュラシック」シリーズを作ってしまい、商売を成立させたわけですから、商業映画の創り手のプロとしては満点!!と見なされ、さらに一目置かれることになるのかもしれませんが…、

ハリウッドは「新作」とは名ばかりの「同じ話のくり返しの焼き直しの再販映画」の「大量生産」つまり「シリーズもの」に頼るのはやめたほうがいいでしょうし、ギャレス・エドワーズ監督も、そういうハリウッドのひたすら志しの低い方向へと向かう流れからはもう離れて、「商品」または「商材」の「コンテンツ」ではなく、自分の「作品」の「映画」を作ることにこそ、手腕を発揮してほしい…と、同監督のファンの方は思わずにはいられないのかもしれません。

Comments

  1. 興行成績の各数字は「週末成績」-(公開館数/1館あたりの平均売上げ)-「トータル成績」です。タイトルのあとの () 内は公称または推定の製作費です。

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