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🏳️ Box office

The box office numbers for the opening weekend of Guy Nattiv and Zar Amir Ebrahimi's 'Tatami' starring Arienne Mandi.

イランとイスラエルの対立が激化し、中東の行く末に世界の関心が寄せられている…という現実の軍事衝突の悲惨を踏まえると、それに便乗するのは不謹慎な感じがしないでもありませんが…、

いわゆる「スポーツ競技におけるイスラエルへのボイコット」をテーマに採りあげて、世界柔道選手権大会で優勝したいイランの選手レイラ=アメリカの女優アリエンヌ・マンディと彼女の家族を含めた周囲のひとたちに対し、イスラエルの選手との対戦はもとより、イスラエル人とは一切、接触するなとイランの政府から圧力がかけられ、大会を棄権しろ!!と無理強いされた主人公のレイラは自分の「柔の道」を貫くことができるのか…。

タタミ」(製作費は不明)

$16,200−(1館/$16,200)−$16,200


Rotten Tomatoes 90 % / Metacritic -- pt / CinemaScore --

…と、イランとイスラエルの問題を柔道に託して、イラン出身の女優のザーラ・アミール・エブラヒミとイスラエル出身のガイ・ナティーヴ監督が…と映画の世界では、イランとイスラエルの才能が円満に組んで、共同メガホンをとったことで、いま最もタイムリーな映画として注目を集めていたアメリカ映画「タタミ」つまり日本語の「畳」を、ニューヨークの IFC センターだけの独占限定公開で封切った配給の XYZ Films が公表した封切り成績は約1万6,200ドルでした…

…と書けば、それってどうなの?、よくわからないと言われそうですが、トム・クルーズ主演のスパイ・アクション映画「ミッション: インポッシブル」シリーズ完結編の最終章だと言い張っている第8作めの「ザ・ファイナル・レコニング」が、先月5月末に約6,404万ドル(3,857館)の同シリーズ史上最大の封切り成績を稼いで、新記録を達成と言い張った時の1館あたり平均の売り上げは約1万6,603ドルだったので、「タタミ」の製作者らとしては、イランとイスラエルとの軍事衝突のおかげで、「ミッション: インポッシブル」級のヒット?!と言えなくもない成功をおさめることができたと評価できそうかもしれませんから…、

注目される理由はさておき、いわゆる低予算の地味なインディーズだけど、創り手の意志と意味が込められた映画が話題になること自体はよかったのでは…。


🏳️ Box office

The box office numbers for the second weekend of RackaRacka's A24 Horror Film 'Bring Her Back' starring Sally Hawkins, Jonah Wren Phillips, Sora Wong and Billy Barratt.

先週の初公開の封切り成績が約708万ドルだった RackaRacka、つまり双子のダニーとマイケルのフィリッポウ兄弟監督が、現代の最高の女優のひとりのサリー・ホーキンスを主演に迎え、ビリー・バラット、ジョナ・レン・フィリップス、そして、新人の…

ソラ・ウォンちゃんたちの若いキャストを絡めることにしたホラー映画の新しいカルト作「ブリング・ハー・バック」の公開2週めの成績は先週から半減の約353万ドルでしたから、つまり集客減は約−50%なので、ホラー映画としては、まずまずの動員を維持できた…

ブリング・ハー・バック」(2,000万ドル)

$3,526,295−(2,425館/$1,454)−$14,112,796

Rotten Tomatoes 89 % / Metacritic 75 pt / CinemaScore B+

…ものとして見なすこともできますが、作品の高評価に対しては、今ひとつ口コミが効いておらず、物足りないガッカリ…かもしれませんね。創り手の RackaRacka 兄弟たちが演出の意図などを語ってくれているので、映画通の方には興味深いかもしれない解説のプロモ・ビデオをご覧ください。

🏳️ Box office

The box office numbers for the opening weekend of RackaRacka's A24 Horror Film 'Bring Her Back' starring Sally Hawkins, Jonah Wren Phillips, Sora Wong and Billy Barratt.

オーストラリアの YouTuber の RackaRacka、つまり双子のダニーとマイケルのフィリッポウ兄弟(↑)が地元で手がけた映画監督デビュー作のホラー映画「トーク・トゥ・ミー」(2022年)を、いわゆる「A24 ホラー」として配給し、成功をおさめた A24 が、兄弟たちに約2,000万ドルを出資したらしい待望の監督第2作めのオーストラリア映画の…

ブリング・ハー・バック」(2,000万ドル)

$7,081,501−(2,449館/$2,892)−$7,081,501


Rotten Tomatoes 89 % / Metacritic 75 pt / CinemaScore B+

「ブリング・ハー・バック」つまり「彼女を連れ戻して」を全米公開した A24 が公表した封切り成績は約708万ドルでしたから、残念ながら前作「トーク・トゥ・ミー」の同成績=約1,043万ドル(2,340館)を下まわってしまったものの…、

世間一般にはハリウッド版「ゴジラ」シリーズ、「くまのパディントン」シリーズ、そして、半魚人と恋におちた「ザ・シェイプ・オブ・ウォーター」(2017年)で知られるけれど、映画通の方は「ハッピーゴーラッキー」(2008年)を必見作にあげる英国を代表する女優のサリー・ホーキンスを主演にして、マッケンナ・グレースちゃんと共演した SF ジュブナイル映画「クレーター」(2023年)のビリー・バラット(↑)に…、

Netflix の配信シリーズ「スウィート・トゥース」などのジョナ・レン・フィリップス(↑)、それから、このホラー映画が女優デビュー作となる新人(↓素のソラちゃん)の…

左眼は全盲ですし、右眼も弱視だけれど、スポーツは何でも得意だし、ピアノをはじめ楽器の演奏もできるから、障害に負けずに、持ち前の才能を健気に発揮してる JC つまり中学生の少女として、地元のシドニーでは知られるソラ・ウォンちゃんを大抜擢した「ブリング・ハー・バック」は…、

この映画を観たいと思って早速、映画館に出かけた封切り興行の観客のうち約8割が支持をして、およそ6割の観客は周囲に鑑賞を絶対お薦めしたいと出口調査に回答の好評ですし、サリー・ホーキンス演じる母ローラの愛娘を失った痛みと、どうしても「娘を連れ戻して…」の狂気を描いた「母の苦しみ」がテーマになっているだけに当然、男性よりも女性からの支持が厚く、封切り興行の観客全体の約3割を占める25歳以上の大人の女性の8割以上が強い共感を抱いたとのこと…


…ですから、「トーク・トゥ・ミー」ほど大きなインパクトの話題にはなっていませんが、作品の質としては前作に劣らずの高い評価を与えられていますし、自分と同じの目の不自由な少女のパイパー役を演じたソラ・ウォンちゃんにも好感を持てるため、ユニークな新人女優のデビュー作としても一見の価値がある作品と伝えられています。よって、映画通の方はひとまず、今後の鑑賞予定に「ブリング・ハー・バック」のタイトルを加えておいてはいかがでしょう。
🏳️ Box office

The box office numbers for the opening weekend of 'Mission: Impossible – The Final Reckoning'

「ミッション: インポッシブル」シリーズ仕掛人のプロデューサーと主演を兼ねるトム・クルーズが、シリーズ完結編の最終章ですと発言したからには、もしかして、ひょっとすると、そうなのかもしれない…らしい第8作めの「ザ・ファイナル・レコニング」の封切り興行は…、

北米で明日の週明け月曜日(26日)のメモリアル・デー、つまり戦没将兵追悼記念日の祝日を含めた計4日間ですから、週末3日間の封切り成績は、あくまでも、途中の成績の中間発表ということになりますが、それにしても約6,300万ドルを稼いだのは…、


$63,000,000−(3,857館/$16,334)−$63,000,000

Rotten Tomatoes 80 % / Metacritic 67 pt / CinemaScore A-

2018年に封切られた第6作め「フォールアウト」の封切り成績=約6,124万ドル(4,386館)を超えた新記録を達成!!、さすがはやっぱりシリーズ完結編の最終章だ!!、トム・クルーズは有終の美を飾った!!というのは本当ですか?!と問われると…、

もう約29年も大昔の1996年公開の第1作めの「劇場版 スパイ大作戦」のリメイク映画「ミッション: インポッシブル」の封切り成績の約4,544万ドル(3,012館)は、いまのお金にすると約9,342万ドルを稼いでいたことになるし…、

その第1作めの大成功をうけて当然、作られた続編の第2作めの同成績=約5,785万ドル(3,653館)は現在の約1億847万ドルに相当するから、いわゆる「いきなり大台の1億ドルを突破!!」みたいなものだったのか…と考えると、最終章の封切り成績の約6,300万ドルはむしろ、シリーズの人気も落ちたなぁ…トムも還暦を過ぎた62歳だし、終わるのも当然か…と解釈されるかもしれません…。

いずれにしろ「ザ・ファイナル・レコニング」の製作費は超巨額の約4億ドルに迫る…と言われていますから、単独での回収は、あらかじめ、ほぼ無理となり、ついにシリーズ完結!!を声高に訴えて、過去の作品を再販するキャンペーンによって、シリーズ全体の売り上げを底上げすることを目指すのを前提とした「ひと山なんぼ」的な商売かな…というオチになりそうですね。
🏳️ Box office

The box office numbers for the opening weekend of 'Final Destination Bloodlines'.

「ファイナル・デスティネーション」シリーズを生き返らせた通算第6作めの「ブラッドラインズ」が稼いだ封切り成績の約5,100万ドルは…、


$51,000,000−(3,523館/$14,476)−$51,000,000


Rotten Tomatoes 93 % / Metacritic 74 pt / CinemaScore B+

シリーズ初の「3D映画」として、2009年の夏に全米公開された第4作め「ザ・ファイナル・デスティネーション」が記録した同成績の約2,741万ドル(3,121館)、つまり現在のお金の価値にすると約4,115万ドル相当になる…

…を大きく超えていますから、過去と現在の鑑賞料金の差額や上映館数の違いなどを考慮しても、「ブラッドラインズ」は「ファイナル・デスティネーション」シリーズ最高のオープニング・ヒットの新記録を叩き出したものと見なせるかもしれませんね。