Billy's footnotes 💬 Day 194, 2025
🏳️ Box office
The box office numbers for the opening weekend of James Gunn's 'Superman' starring David Corenswet, Rachel Brosnahan and Nicholas Hoult.
人びとが、かけがえのない自分の命や、周囲の大切な人びとを失うことになる戦争や紛争なんて、絶対にやめたほうがいいに決まっている。それなのに政治や宗教、あるいは利権をめぐって、さまざまな思惑が絡むから、その複雑化した事態を調整するのは困難至極となり、単純に善意だけでは太刀打ちできず、戦争や紛争はけして終わることなく、無駄に血が流され続けていく…という現在のイスラエルとパレスチナ、あるいはロシアとウクライナに代表される「国際紛争」というタイムリーなテーマ。
少子高齢化のため労働力が必要、そして、消費を伸ばして、景気を持続するためには彼ら彼女たちが必要なんだ…と「移民」あるいは「ガイジン」に甘い顔をし、大目に見ておくと、いずれ奴らに国を乗っ取られてしまうだろうから厳しく取り締まって、「移民」や「ガイジン」はできるだけ追放していったほうがいい…とか声高に言う「愛国者」が増えているが、「移民」や「ガイジン」のひとたちは本当にみんな悪者なんですか?!という「右傾化する世界」にはびこる「差別」への疑問とも言えるタイムリーなテーマ。
…などに加えて、おなじみのソーシャル・メディアをめぐる問題といった「時事的」な「社会派」の要素を盛り込むことで、アメコミの古典を「現代化」して、物語に「意味」を持たせながらも、深刻になって、脱線することはなく、「ヒーローものアクション」をたたみかける「マンガの映画」の基本路線にそって、「痛快娯楽作」に仕上げたガン監督のお手並みはお見事!!
…と、ジャーナリストと観客のどちらも大絶賛の一方、前述のような「社会派」のところをもっと掘り下げるべきだったとか、複数のヒーロー・キャラを含めた登場人物が多過ぎる問題や、スーパーマンの見せ場を増やしたことで、ふだんの姿の新聞記者のクラーク・ケント=デヴィッド・コレンスウェットのひとと柄や、ヒロインのロイス・レイン=レイチェル・ブロズナハンとの人間関係などは、あまり描けてはいない…という否定的な見方もまた様々に言われていますが…、
年齢層で言えば、18歳から24歳の観客を最も多く集め、明らかに若者から支持されている「スーパーマン」は、児童を含めた25歳以下の若い観客の90%以上つまり、ほぼ全員が満足し、25歳以上の観客のうち男性は約9割、女性は約8割が満足と回答して、観客全体の約4分の3のひとたちが、周囲にも鑑賞をお薦めしたい!!と、とりあえず文句のつけようがない出口調査の結果ですから…、
マーベルの「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督は、アメコミを代表する DC ヒーローを自分のものにしてしまった!!と言えそうな「スーパーマン」を全米公開した配給のディスカバリーつまり昔はワーナーが公表した封切り成績は、予想されていた期待値の1億1,000万ドルから1億3,000万ドルのあいだ…のほぼ中間に位置する約1億2,200万ドルでした!!
「スーパーマン」(2億2,500万ドル)
$122,000,000−(4,135館/$29,504)−$122,000,000
このガン監督の新しい「スーパーマン」が稼いだ封切り成績の約1億2,200万ドルと、1舘あたりの平均の売り上げの約2万9,504ドルという金額は…、
2013年に公開されたザック・スナイダー監督の「マン・オブ・スティール」の封切り成績は約1億1,661万9,362ドル(4,207館)でしたが、お金の価値の変化を鑑みると、現在の約1億6,030万ドルに相当する巨額を叩き出していたことになりますし、1舘あたりの平均の売り上げでは現在の約3万8,103ドルに相当する約2万7,720ドルを稼いでいました。
私生活のトラブルがもとで、現在は映画界から追放されたブライアン・シンガー監督の2006年公開のブランドン・ラウス主演作の封切り成績の約5,253万5,096ドル(4,065舘)は、現在の約8,425万ドルに相当し、平均値は約2万726ドルに相当する約1万2,924ドルでした。
故クリストファー・リーヴが主演して、約47年も大昔の1978年に公開された「スーパーマン」の同成績の約746万5,343ドルは現在の約3,794万ドルに相当。と成績が控えめなのは、故リチャード・ドナー監督の作品は公開舘数が508舘と小規模な興行だったためですが、しかし、1舘あたりの平均の売り上げでは、現在の約7万4,688ドルに相当する約1万4,696ドルを稼いでいますから、映画館はどこも大入り超満員の立ち見だったのか?!らしいことが窺い知れます。
よって、見た目の数字としては、ガン監督の新しい「スーパーマン」は「スーパーマン」史上最大の封切りヒットを達成!!と豪語できるものの、どうやら実態としては、ザック・スナイダー監督の「マン・オブ・スティール」、故リチャード・ドナー監督の「スーパーマン」を超えた大ヒットとは言えない感じですが、しかし、最も最近の2023年に封切られたガン監督の前作にあたる…
マーベルの「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」トリロジー完結編「Vol.3」の封切り成績の約1億1,841万4,021ドル(4,450館)は、現在の約1億2,592万ドルに相当して、平均の売り上げは約2万8,296ドルに相当する約2万6,610ドルでしたから、ガン監督の「スーパーマン」の第1作めは「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」のクライマックスの最終作と同等の大ヒット!!
…だとは言えそうなことを踏まえながら、いま現在の映画館に観客がやって来ない慢性化した興行不況、そして、コミックヒーロー映画のブームは終わり、もう過去のものになった…の状況までを含めて評価すると、DC スタジオの再建を託されたジェームズ・ガン社長が、新しい DC ユニバースの船出の第1作めの「スーパーマン」のメガホンを、自分とは本人の関係だけに最も信頼することができるジェームズ・ガン監督に託したのは大正解であり…、
ガン社長の新生 DC ユニバースは映画の内容の出来映えと興行の商売のどちらかに偏ることなく、両方のバランスを巧みにとることに努め、ひとまず成功に位置づけられる好スタートを切った!!と客観的に結論づけて、言ってあげられるのではないでしょうか?!
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