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🏳️ Box office

The box office numbers for the opening weekend of Danny Boyle's '28 Years Later' starring Alfie Williams.

「28年後」と言われたら当然、だったら「28年前」には何があったの?と考えてみるわけですが、いまから約28年前の1997年は、インターネットが常時接続されるようになり、ネットが一般に使われ始め、同年に google.com のドメインを取得した検索エンジンの Google は、翌1998年に法人化して、営業を始めた…

…と、つまり、およそ約28年前は言わば事実上のインターネット元年か…と理解することもできなくはありませんから、その頃辺りから、ひとと社会はネットの便利さの虜になり始めて、次第に何もかも「オンライン化」し、ネット通販の Amazon に顧客を奪われた町中の書店などは次々に消えていき、人びとは目まぐるしいソーシャル・メディアにハマるなどして、日常を忘れ、ネットの世界に心を沈めて、誹謗中傷の書き込みや陰謀論、カルトのインチキに毒され、自分の頭で考えるのをやめて、いわゆる「狂信者」のゾンビのようになったりするから、カルトのリーダーが大国の政権を握ってしまったり、とにかく常につながっていないと落ち着けない「依存者」または「中毒者」たちは歩きながら…どころか、クルマを運転している時ですら、小さな画面に釘づけだから当然、あちこちで事故が起きて、当事者がお互いに傷つけあう…とわかっていても、スマホを手放せない「ながらゾンビ」が増えたり…、

次第に国境を超えて巨大化したアメリカのネット大手各社のせいで、各地の現実に店舗をかまえる事業者や行政は行き詰まり、もはや自分たちに残された最後の命綱は、けして、オンライン化できない「観光資源」しかないのでは…とばかりに、いわゆる「インバウンドに依存」した地域経済の活性化に血眼になり、旅行者を集め過ぎたことで、地域の物価が旅行者向けに値上がったり、どこもかしこも観光客で大混雑となり、地元住民の生活を脅かしてしまうから、住民は約162万人なのに旅行者は約2,610万人も来るなんて、異常だ…と怒りだして、抗議活動を始めたスペインのバルセロナの人たち(↑↓)にとっては、自分たちの街で我が物顔の目障りな旅行者なんて言わば富裕層のゾンビだ…

…となってしまう「28年後」の「いまの現実」をザッと眺めてみると、約28年前に始まったネットの大流行のパンデミックの「感染」は、けして、ひとつではない多種多様なタイプのゾンビのようなひとたちを生み出して、人びとは以前よりも感情の起伏が激しくなり、まるで怒りのウイルスに感染したかのように怒りやすくなった…などと悲観すると、「28年前」よりも前に生まれた世代と、「28年前」よりもあとに生まれた若い世代や子どもたちとでは、それぞれが世界を見る目は違うかもしれないから…、


いま社会問題化してる人工知能やロボットをテーマにした「エクス・マキナ」(2014年)や、本能に逆らえない男のエゴの惨めを描いた「メン」(2022年)、やはり社会問題化してる AI による生成をイチ早く採りあげたと言えるケイリー・スペニーちゃん出演の配信シリーズ「Devs」(2020年)、それから、昨2024年全米公開映画の最大の問題作の必見だなんて、本当のことを言ってはいけないケイリー・スペニーちゃんが事実上の主演の「シビル・ウォー」などを手がけて、いまの21世紀の映画界では最も重要なクリエイターのひとりのアレックス・ガーランド監督が脚本家として、ダニー・ボイル監督と組み、2007年に公開された「ゾンビ=死人」ではなく、「生きている人間がウイルス感染により凶暴化」したことで、「社会が壊れていく恐怖」を描いた「28日後」の続編を…

どうして、今さら始めたのか?!、どうして、この続編では感染者はみんな同じではなく、複数の異なるタイプに分かれているのか?!、どうして、子どもが主人公なのか?!、「28年後」というタイトルは「28日後」とは無関係に、前述のように奇遇?!にも、インターネットは「28年前」に現実の社会と人びとに影響を与え始め、「28年後」のいまのひとと世界はもう「28年前」とは違う…について、色んなことを考えさせられてしまうから、その題名だけでも興味深い絶妙と言える…

「28年後」(6,000万ドル)

$30,000,000−(3,444館/$8,711)−$30,000,000


Rotten Tomatoes 89 % / Metacritic 76 pt / CinemaScore B

終末世界を舞台にしたホラー映画の新しいトリロジーの第1作めにあたる「28年後」を製作・配給するソニピが公表した全米公開の封切り成績は約3,000万ドルでしたから、予想されていた3,500万ドルから4,000万ドルを超える期待値に対しては、ややガッカリ…と言われるかもしれませんし…、

約12年前…の2013年6月の同時期に、パラマウント映画が封切ったゾンビ映画の大作「ワールド・ウォー Z」が叩き出した同成績の約6,641万ドル(3,607館)と比べると、「28年後」の成績は半分以下ですから、かなり見劣りしていますし、同じく過去の人気ホラー映画を復活し、先月5月半ばに封切られた「ファイナル・デスティネーション : ブラッドラインズ」の同成績=約5,160万ドル(3,523館)にも太刀打ちできていません…。それではどうして、「28年後」はウケなかった…

…のか?!と言うと、単純に観客の目を楽しませる娯楽のホラー映画ではなく、アルフィー・ウィリアムズくん(TVシリーズ「ヒズ・ダーク・マテリアルズ」2022年)が抜擢された主人公の12歳の少年スパイクが、父ジェイミー=アーロン・テイラー=ジョンソン(「ゴジラ」2014年)に抱える葛藤や、病いを患っている母アイラ=ジョディ・カマー(「ザ・バイクライダーズ」2023年)へのいたわりといった家族を題材にした少年の成長の物語だったことや、結末に到る驚きの展開などについて、ただゾンビを楽しみに来ただけの一般の観客は自分たちが思っていたのとは違う…と、ややガッカリしたらしいほか、最後はさらに次の続編「ザ・ボーン・テンプル」(2026年1月16日全米公開)に「つづく…」といった終わり方の商売だったことにも不満の声が寄せられている…

ダニー・ボイル監督の作品は、出口調査では観客の約7割にしか支持されていませんし、「ファイナル・デスティネーション」の観客の約4割が、25歳以下の若者だったのに対し、「28年後」は約8割が、25歳以上と年齢層が高めとなっています。よって、単にホラーではなく、少年の成長の物語を描いたことで、ジャーナリストや映画通からは、映画の「作品」として、一定の支持を得られたものの、その反動として、けして娯楽のためだけとは言えない「28年後」は、本来であれば観てほしいはずの若者から、あまり興味を持たれず、イベント化しなかったことで、成績が今ひとつ振るわない結果になってしまった…と考えることができそうですし、そもそも…、


脚本家として、ダニー・ボイル監督と組んでいたアレックス・ガーランド監督はどうして、同監督に自分の脚本を託すのをやめて、自らメガホンをとり、監督になったの?!というのは、ダニー・ボイル監督の当たり外れのある力量に疑問を抱いた…でしたから、アレックス・ガーランド監督が自分で映画化していないことや、ダニー監督の当たり外れのうち、この「28年後」はハズレのほうに位置づけているひとが少なくないことなどを踏まえると、成功とも失敗とも言えない「28年後」の微妙な結果…

…が、次のニア・ダコスタ監督(「リトル・ウッズ」2018年)にメガホンが託された「ザ・ボーン・テンプル」に、どう影響するのか?!が気になってしまいますね…。