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Showing posts with the label 2025.6.27

Billy's footnotes 💬 Day 178, 2025

🏳️ Parasite

The New York Times has crowned Bong Joon Ho's 'Parasite' starring Park So-dam is the best film of the 21st Century.

今週の火曜日の6月24日(Day 175)に、ジュリアン・ムーアが選んだ「21世紀の映画のトップ10」を紹介した記事の続報として、その女優兼児童文学者を含めた大勢の読者からの投票にもとづく…

「21世紀の映画の最高傑作の第1位」に案の定、パク・ソダムたんが主演女優のポン・ジュノ監督の韓国映画「パラサイト」(2019年)が選ばれた集計を、ザ・ニューヨーク・タイムズが発表しました。案の定…というのは、いまの21世紀の世界が直面している大きな問題として、地球温暖化の環境に関することや少子高齢化のこと、人工知能を含めた進化し過ぎたテクノロジーのことなどもありますが、もはや取り返しがつかないほど広がった「貧富の格差」が「世襲」とも絡んで…、


「新しい階級社会」を形作ってしまったこと、そして、「ソーシャル・メディア」が「人びとの心を蝕んで、社会秩序を破壊」してしまったこと…のうち、「貧富の格差」を採りあげた「パラサイト」と「ソーシャル・メディア」の始まりを描いた「ザ・ソーシャル・ネットワーク」(2010年)の両映画は、ともに優れた出来栄えだけに、以前から「21世紀を象徴する映画の傑作」と言われていましたから、どちらかの映画が第1位になるだろう…と思っていたからですが…、

第2位「マルホランド・ドライブ」(2001年)

創り手のデヴィッド・リンチ監督が最近の今年2025年はじめに亡くなられたため、追悼の意味から投票したひとが少なくないと思われます。

第3位「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007年)

第4位「花様年華」(2000年公開だから、20世紀の映画を選んでいる間違い)

第5位「ムーンライト」(2016年)


第6位「ノー・カントリー・フォー・オールド・メン」(2007年)

第7位「エターナル・サンシャイン・オブ・ザ・スポットレス・マインド」(2004年)

第8位「ゲット・アウト」(2017年)

第9位「千と千尋の神隠し」(2001年)

第10位「ザ・ソーシャル・ネットワーク」(2010年)

ご覧のように「ザ・ソーシャル・ネットワーク」は、残念ながら第10位でしたから、当のアメリカを含めて、世界中がいま反米感情に偏り、Meta つまり昔は Facebook の代表のマーク・ザッカーバーグが嫌われている影響もあるのかもしれませんね…。それにしても、「働き続けるしかない高齢者の悲哀」を描いたクロエ・ジャオ監督の傑作「ノーマッドランド」(2021年)や…、

アレックス・ガーランド監督が「いま現在の壊れたアメリカ」という文字通りタイムリーな題材を採りあげて、ケイリー・スペニーちゃんが事実上の主演をつとめた問題作「シビル・ウォー」(2024年)が第100位までに入っていないのは、とても残念です。
🏳️ Late Shift

UK Trailer for Petra Volpe's hospital drama 'Late Shift' starring Leonie Benesch.

主人公の看護師のフローリア役を演じた女優のレオニー・ベネシュは、イルカー・チャタク監督の「ザ・ティーチャー'ズ・ラウンジ」(2023年)や、1972年開催のミュンヘン・オリンピックを混乱に陥れたパレスチナ過激派による「黒い九月事件」を題材にした「セプテンバー 5」(2024年)といったドイツ映画の傑作を通じて、すでに国際的に知られていますが…、

現在34歳の彼女の演技者としての地位を不動のものとし、諸外国の創り手から彼女を起用したいという国際的な需要が高まるのでは…と、レオニー・ベネシュの力量と魅力が絶賛され、今年2025年公開映画の傑作のひとつとして、お薦めする映画通からの必見の声が少なくない…

ドイツ・スイス合作の「ヒロイン(Heldin)」は、今春2月に開催された第75回ベルリン映画祭でのプレミア上映に先がけて、予告編を紹介しましたが、海外市場向けの英語のタイトルの「レイト・シフト」つまり「遅番」とか「夜勤」として、今夏8月1日に英国で封切る予定のヴァーティゴが、UK 版の新しい予告編をリリースしてくれたので、あらためて、ご覧ください。


下 ↓ の写真のスイス映画界のペトラ・フォルペ監督(「ザ・ディヴァイン・オーダー」2017年)が手がけた「夜勤」の「ヒロイン」は、いま現実に世界的に社会問題になっている医療の現場の深刻な人手不足をテーマとして…、

スイスの病院の外科病棟を舞台に、心のこもった献身的と同時にプロ意識の高い信頼のおける看護師フローリア=レオニー・ベネシュが、ある日、夜勤シフトに出勤すると、同僚が現われなかったことから、言わば孤軍奮闘のようにして、激務をこなすフローリアだったが、徐々に追い詰められていった彼女は致命的なミスを犯してしまうはめに…。


…といった次第で、すでに封切られた本国のドイツでは、現実に病院で働いてる看護師の方々が、レオニー・ベネシュのまったくリアルな看護師ぶりの名演技に胸を打たれ、あぁ、これは自分たちの映画だ…と感動せずにはいられないそうですから、この内容に対して、約91分の短めの上映時間は物足りず、描き切れていない消化不良の感もある…といった否定的な見方もあるものの…、

映画通の方はひとまず、今後の鑑賞予定に「レイト・シフト」も入れておいてはいかがでしょう。