The box office numbers for the opening weekend of Guy Nattiv and Zar Amir Ebrahimi's
'Tatami' starring Arienne Mandi.
イランとイスラエルの対立が激化し、中東の行く末に世界の関心が寄せられている…という現実の軍事衝突の悲惨を踏まえると、それに便乗するのは不謹慎な感じがしないでもありませんが…、
いわゆる「スポーツ競技におけるイスラエルへのボイコット」をテーマに採りあげて、世界柔道選手権大会で優勝したいイランの選手レイラ=アメリカの女優アリエンヌ・マンディと彼女の家族を含めた周囲のひとたちに対し、イスラエルの選手との対戦はもとより、イスラエル人とは一切、接触するなとイランの政府から圧力がかけられ、大会を棄権しろ!!と無理強いされた主人公のレイラは自分の「柔の道」を貫くことができるのか…。
$16,200−(1館/$16,200)−$16,200
…と、イランとイスラエルの問題を柔道に託して、イラン出身の女優のザーラ・アミール・エブラヒミとイスラエル出身のガイ・ナティーヴ監督が…と映画の世界では、イランとイスラエルの才能が円満に組んで、共同メガホンをとったことで、いま最もタイムリーな映画として注目を集めていたアメリカ映画「タタミ」つまり日本語の「畳」を、ニューヨークの IFC センターだけの独占限定公開で封切った配給の XYZ Films が公表した封切り成績は約1万6,200ドルでした…
…と書けば、それってどうなの?、よくわからないと言われそうですが、トム・クルーズ主演のスパイ・アクション映画「ミッション: インポッシブル」シリーズ完結編の最終章だと言い張っている第8作めの「ザ・ファイナル・レコニング」が、先月5月末に約6,404万ドル(3,857館)の同シリーズ史上最大の封切り成績を稼いで、新記録を達成と言い張った時の1館あたり平均の売り上げは約1万6,603ドルだったので、「タタミ」の製作者らとしては、イランとイスラエルとの軍事衝突のおかげで、「ミッション: インポッシブル」級のヒット?!と言えなくもない成功をおさめることができたと評価できそうかもしれませんから…、
注目される理由はさておき、いわゆる低予算の地味なインディーズだけど、創り手の意志と意味が込められた映画が話題になること自体はよかったのでは…。