▶ Trailer for Mascha Schilinski's 'Sound of Falling' starring Hanna Heckt, Lena Urzendowsky
1920年代に撮影された写真の中の女性の目が、まるで真っ直ぐに私たちの目を見つめているかのようでしたから、彼女が過去の当時に抱え込んだ憂うつのトラウマが乗り移ってくるように感じたんです…。
…という発端から歴史を振り返って、物語の構想を膨らませていったと語るドイツ映画界の女性の新鋭のマッシャ・シリンスキー監督(「ダーク・ブルー・ガール」2017年)の長編映画の第2作め「サウンド・オブ・フォーリング」(ドイツ語のオリジナルの題名は「太陽を見つめて」)の予告編をぜひ、ご覧ください。
現在開催中の第78回 カンヌ国際映画祭で、その実験的な映画の作り込みも含めて、おもに高評価を博し、話題になっている「サウンド・オブ・フォーリング」は、北ドイツのアルトマルクを舞台にして、1910年代のアルマちゃん(ハンナ・ヘクト)、1940年代のエリカ(レア・ドリンダ)、1980年代のアンジェリカ(レナ・ウルゼンドフスキー)、そして、現代の2020年代のネリー(ゾーイ・バイエル)という、それぞれが生きる時代と世代は異なるものの、同じ農場に暮らした…
…という共通点を持つ 4人のヒロインたちが、それぞれに恐怖やトラウマの抑圧を抱え込んで、悲劇がくり返されていく…の展開から、過去と現在が交錯して、あいまいになり、100年以上もの隔たりを超えて、あたかもトラウマが乗り移っていくかのような物語とのこと。上映時間が約2時間29分とやや長尺の「太陽を見つめて」は、本国のドイツでは夏の終わりの9月11日公開の予定。映画通の方はお楽しみに。